| 油絵具 |
油絵具を手にとってみると、チューブの大きさから想像されるよりもずっと重い感じがするものです。
絞り出すと油彩ならではの輝きと新鮮なつやを持った色彩を見せてくれます。
絵具は顔料と呼ばれる細かい色の粉とそれを練り合わせるのりの役割をする部分(原色材)で出来ています。
油絵具は練り合わせ材にりんシードオイルなど乾性油を使っています。
よい絵具の条件は 1、色が美しく(発色がよい) 2、少ない量で広い面積を塗ることができ(のびがよい)3、長い時間が経過しても変質、変色などしない(耐久性がよい)という3点が挙げられます。
海外の油絵具はメーカーごとの個性を強く出したものが多く、国産の絵具にはないめずらしいオリジナルカラーや中間色を見つけることができます。 |
| 絵具の毒性について |
油絵具に使われている顔料の中には有毒なものがあります。
毒性のある代表的なものは、シルバーホワイト、カドミウム系のもの各種、バーミリオンなどでチューブには毒性を示す表示が印刷されています。
傷口に入らないように気をつけ、食事のときにはよく手を洗ってついた絵具を落とし、口に入れなければ基本的には大丈夫ですが、製作中にタバコを吸う週間がある人は吸い口に絵具がつかないように注意してください。
固まった絵具をサンドペーパーなどで削り取るような作業をするときは専用の粉塵防止マスクをするなどして慢性の中毒にならないように気をつけましょう。
また子供が誤って口に入れないように手の届かないところに置くようにしましょう。 |
| チント、ヒュー、ネオの意味 |
絵具には色名のあとに「チント」「ヒュー」「ネオ」などがついているものがあります。
これらの絵具は、現在では手に入りにくくなってしまった顔料や高価な顔料の色に似せて作ったもので、合成色などとも呼ばれています。
これらは単に模造品なのではなく、元の色よりも価格がおさえられている面や安定性で優れている点も多いのです。
本物の色ではない、と嫌う画家もおりますが、混色が自由で耐久性があるものなので、代用品ではなく1つの独立した別の色の絵具として付き合っている画家も増えてきました。 |
| ファンデーション(絵具タイプ) |
ファンデーション絵具は下地に塗るために作られた絵具です。
油絵は麻や綿などの布のキャンバス、板、しっかりした厚い紙の上に描きます。
油絵を描くものに対してなぜファンデーションを塗る必要があるのかというと、あらかじめ白や白に近い色で塗っておくと絵具の発色がよいという点があります。
上に塗っていく絵具のつきをよくしたり、つやや乾燥の時間を調節する機能もあります。
布や板などは極端に絵具の油を吸ってしまうものもあり、下地を塗って吸い込みをおさえることが必要です。
絵具タイプのファンデーションは使ってから一ヶ月くらい置いて使うのが理想的です。
キャンバスの織り目をつぶしてつるつるにして描きたいとき淡い色をつけたいときに絵具タイプは便利です。 |
| ファンデーション(塗料タイプ) |
ファンデーションは絵を描きたい素材に塗るものですが、市販の白いキャンバスには基本的には塗らなくてもよいでしょう。
絵具タイプは鉛白を使ったものですが塗料タイプはチタニウムホワイトと同じ酸化チタンを顔料に使い、合成樹脂などで乾燥を早めたものです。
これらはにかわなどをあらかじめ塗った布地、板、紙などの上に塗り手作りのキャンバスを作るためのものです。
一度描いた絵の上を塗りつぶすことも出来ます。
ファンデーションを薄めるには揮発性油(ペトロール)を使います。
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| ファンデーション(水性) |
アクリル系絵具の地塗り材料を油絵の下地として利用することができます。
油絵を描くときに下描きにアクリル系絵具のような水性の材料は使えますが、油彩の上に水性のものでは描くことができません。
水性の材料は、市販の白いキャンバスにそのまま塗るとはがれてしまいます。
サンドペーパーで表面をこすってざらざらにしてから使うか、白い塗装が塗られていない表面をキャンバス画枠に張ってから塗るとよいでしょう。
ジェッソなどを下塗りに使ったときは、一日で表面が乾いて手につかなくなっていても、その後三日くらいじっくり乾燥させてから、油彩を描くとよいでしょう。
鮮やかな色をしたジェッソもあり、油彩の下塗りにすると効果的です。
モデリングペーストは画面に下地塗りの段階で、盛り上げをつくっておくことができる白いペースト状の便利なものです。
固まったあとはサンドペーパーなどで磨いたり、削ったりすることも出来ます。 |
| パレット |
パレットはふちに沿って使いたい色の絵具を並べて使います。
真中の広い部分で絵具を混色し、好みの色を作ります。
この部分は使ったあとにぼろ布などでふいておくと絵具に含まれる乾性油が染み込むのでしだいに深いつやが出てきます。
色彩の調和を考えながら色を選んだり混色したりするためには、木の色(茶褐色)のパレットがよいとされています。
木製以外にも絵具の実際の色がわかる白い塗装のパレット、掃除の手間が省けるタイプ(絵具が乾いてはがれてしまうものや、使い捨ての紙製)、陶器製のパレットなどいろいろなパレットがあります。
ノートのようにめくりながら破って使うことができる紙パレットは速乾性油絵具などに便利です。 |
| チューブから出した絵具の後始末 |
パレットの上の余った絵具は2〜3日のうちに描くならふき取らなくてもよいでしょう。
絵具が乾いてもそのまま残しておき、その上に新しい絵具を絞り出してもよいのですが、常に綺麗にしておきたい人は描く作業が終わったらパレットナイフで取り去り、新聞紙などに包んで捨てましょう。
パレットに出した絵具を乾かないように取っておくには、台所用のラップで包んで空気に触れないようにするとしばらくもちます。 |
| 画用液 |
画用液とは、油絵の描き始めから終わりまでに使用するオイル類全般をさします。
作品を描いている間に使う溶き油と呼ばれるもの、後始末に使う筆洗油と呼ばれるもの、完成した作品を乾かしてから使用するワニス類などがあります。
油絵具に重要な役割をしている溶き油は水彩画の水とは異なり、画面に残って絵具の厚みや透明感、光沢を作り出します。
描きはじめだけは揮発性油のみで絵具を溶いてもいいですが、基本的には乾性油と揮発性油を混ぜた調合溶き油を使って描き進めます。 |
| 筆 |
オーソドックスな油彩画筆は豚毛の筆です。
型も親しみやすい平筆、丸筆のほかに毛を束ねたタイプのもの、大きな作品を描くための変わった型のブラシもあります。
豚毛筆に限りませんが、筆を選ぶときはあまり細いものばかりそろえずに、思い切って太めのものを手に入れることがポイントです。
太い筆を使うと作品が生き生きしたものになります。
筆の本数は、作品のサイズにもよりますが、はじめは豚毛製の平筆で16号から8号くらいの中太の筆を4〜5本そろえましょう。
豚毛の丸筆は平筆よりやや細い、12号から6号くらいのものが3〜4本あると便利です。
軟毛筆は最高級のコリンスキーから馬やマングース、合成毛の混毛筆などいろいろありますが、予算が許す限りよいものを選びたいです。
軟毛の丸筆を太、中、細と2〜3本揃えて、毛の性質による違いを試してみるといいでしょう。
目的によって筆を選ぶことも大事です。
筆のタッチを荒々しく生かしたい強く盛り上げたいときは豚毛のような硬い毛の筆を、絵具を柔らかく溶き、筆目を消してなでるように描きたい時は軟毛の筆がよいでしょう。 |
| 筆洗油(ブラシクリーナー) |
筆についた絵具を落とすための専用クリーナーです。
油絵の制作中は汚れを強力に落とす石油系の溶剤を使用するのが普通です。
においが気になる場合はよく換気しながら筆を洗うように気をつけるか、無臭タイプや水性のクリーナーを使ってみるとよいでしょう。 |
| 筆の手入れの仕方 |
筆は制作が終わったら必ず洗うようにしましょう。
新聞紙やぼろ布で筆についた余分な絵具を十分にふき取ります。
よく拭いてから洗うと筆洗油も長く使うことができます。
筆洗器に筆洗油を入れて筆を洗います。
布でよくぬぐって毛の根元の絵具も取ります。
次にぬるま湯と石鹸を使ってよく洗います。
手のひらの上に筆の毛をこすりつけるようにしながら石鹸を泡立て、絵具の色が取れるまでよく洗ったら、水分を拭き筆立てなどに立てて風通しのよいところで乾かします。
はけなどは逆さまにつるして陰干しするとよいです。 |
| ナイフ類 |
油絵に使用するナイフ類はパレットナイフ、ペインティングナイフ、スクレーバーがあります。
パレットナイフは絵具を練り合わせたり、余分な絵具を取ったりするためのもので、鋭いエッジがなくパレットを傷めないようになっています。
ペインティングナイフはキャンバスに絵具を塗りつけるためのもので、エッジが鋭くなっています。
ペインティングナイフは塗りつけたりひっかいたりと、筆にはない面白い表現が出来ます。
スクレーバーは固まった絵具を削り落とすものです。 |
| キャンバス |
キャンバスは麻布ににかわを塗って乾かし、その上に白い地塗りをほどこしたものです。
綿の布や合成繊維製のキャンバスもありますが、油絵には丈夫な麻布のキャンバスが向いています。
布の目の大きさが異なる荒目、中目、細目などの種類があります。
初心者には中目が描きやすいでしょう。
一般的には木枠に布を張ったキャンバスを使います。 |
| キャンバス用具 |
キャンバスは木枠にキャンバス布をたるみなくひっぱりながらはり、タックスという釘で止めて作ります。
自分でも小さいキャンバスならば手軽に張ることができます。
布を引っ張るフライヤー(キャンバス張器)、タックス、それを打ち込む小型のハンマー、釘抜きなどを準備します。
またキャンバス張りは雨の日にするといいでしょう。
紙や布などは水を吸うと伸び、乾くと元に戻るという性質があります。
雨の日は空気中の湿度が高くキャンバス布が伸びやすいので、キャンバスのたるみができにくいのではりやすいのです。
まとめて何枚もはって準備しておくとよいでしょう。 |